認定農業者及び集落営農組織に対しては、国による経営改善のための多くの支援措置が準備されています。平成23年度の主な支援策を紹介します。
| 支援策 | |
| 経営の安定 | 1.農業者戸別所得補償制度 2.水田経営所得安定対策 3.強い農業づくり交付金 4.指定野菜価格安定対策事業 5.農地・水・環境保全向上対策 6.中山間地域等直接支払制度 |
| 規模の拡大 | 7.農地制度実施円滑化事業費補助金 8.戸別所得補償制度の規模拡大加算交付金 9.担い手支援農地保有合理化事業 10.耕作放棄地再生利用緊急対策 |
| 新たな分野への進出 | 11.6次産業総合推進事業 |
| 人材の確保 | 12.農の雇用事業 |
| 経営継承 | 13.農の雇用事業 14.就農支援資金 |
| 機械等の導入 | 15.経営体育成支援事業(融資主体型補助事業) 16.経営体育成支援事業(集落営農補助事業) 17.経営体育成支援事業(条件不利地域型) |
| 基盤整備 | 18.戸別所得補償実施円滑化基盤整備事業等 19.農家負担金軽減支援対策事業等 20.経営体育成基盤整備事業等 21.果樹経営支援対策事業 22.果樹・茶支援対策事業 |
| 環境保全への取組 | 23.環境保全型農業直接支援対策 |
| 資金の確保 | 24.スーパーL資金、農業近代化資金 25.経営体育成強化資金、農業近代化資金 26.農業改良資金 27.スーパーL資金(円滑化融資制度) 28.農業経営農業基盤強化準備金制度 |
| 老後の備え | 29.農業者年金事業 |
□ 経営の安定
1 農業者戸別所得補償制度
◆畑作物の所得補償交付金
麦、大豆、そば、なたねの生産数量目標に従って生産を行う農業者(販売農家、集落営農)に対して、標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分に相当する交付金が交付されます。交付金は数量払が基本で、営農継続に必要最低限の額が面積払で交付されます。(重複交付はない)
① 数量払平均交付単価 ※単価は品質に応じて設定されている。
| 対象作物 | 平均交付単価※ | 対象作物 | 平均交付単価 |
| 小麦 | 6,360円/60kg | 大豆 | 11,310円/60kg |
| 二条大麦 | 5,330円/50kg | そば | 15,200円/45kg |
| 六条大麦 | 5,510円/50kg | なたね | 8,470円/60kg |
② 面積払(営農継続支払)
20,000円/10a(畑作物共通)
◆水田活用の所得補償交付金
水田で麦、大豆、米粉用米、飼料用米等の戦略作物を生産する農業者(販売農家、集落営農)に対して、主食用並みの所得を確保しうる水準の交付金が面積払で交付されます。
① 戦略作物助成
| 対象作物 | 交付単価 |
|---|---|
| 麦、大豆、飼料作物 | 35,000円/10a |
| 米粉用米、飼料用米、WCS用稲 | 80,000円/10a |
| そば、なたね、加工用米 | 20,000円/10a |
② 二毛作助成 15,000円/10a
③ 耕畜連携助成 13,000円/10a
④ 産地資金 地域の実情に即した取組等を支援する産地資金が創設されます。
◆米の所得補償交付金
米の生産数量目標に従って生産を行う農業者(販売農家、集落営農)に対して、標準的な生産費と標準的な販売価格の差額分に相当する交付金が交付されます。
15,000円/10a ※交付対象面積は、主食用米の作付面積から一律10a控除されます。
◆米価変動補てん交付金
米の所得補償交付金と合わせて標準的な生産費を補償するものとして、米の生産数量目標に従って生産する農業者に対して、「当年産の販売価格」が「標準的な販売価格」を下回った場合に、その差額分が10a当たりの単価で交付されます。
◆規模拡大加算
戸別所得補償制度加入者が農地利用集積円滑化事業により、農地を面的集積(連担化)するために、新たに6年以上の利用権を設定した場合に、その面積に応じて交付されます。
20,000円/10a
◆再生利用加算
地域の耕作放棄地の再生利用計画に従って、畑の耕作放棄地に麦、大豆、そば及びなたねを作付けた場合に、平地・条件不利の条件に応じて、最長で5年間交付されます。
平地 :20,000円/10a、条件不利地 :30,000円/10a
◆緑肥輪作加算算
畑において、輪作作物の間に1年休んで地力の維持・向上につながる作物を栽培し、畑にすき込む場合(休閑緑肥)に、その作付面積に応じて交付されます。
10,000円/10a
◆集落営農の法人化に対する支援
集落営農が法人化した場合に、事務費が助成(定額40万円)されるとともに、集落営農の経理担当者を養成する活動等に対する支援があります。
2 水田経営所得安定対策
◆収入減少影響緩和対策
米の販売価格の下落等で収入が減少した場合には、収入減少の9割が補てんされます。
3 強い農業づくり交付金
◆産地の収益力向上や国産農産物の安定供給を図る取組の支援
産地自らが収益力向上のためプログラムを策定し、その実現に向け実施する生産・流通・加工分野での取組等が支援されます。
4 指定野菜価格安定対策事業
◆野菜の価格が低落した時に補てん
指定産地の生産者に対し、指定野菜(14品目)の価格が著しく低落した場合に、保証基準額と平均販売価格(ただし、最低基準額を限度とする。)との差額の一部を、補てん金として受け取ることができます。
◆ リレー出荷により、加工・業務用野菜を周年供給する契約取引の支援
野菜生産者が外食・加工業者や量販店などと契約取引を行う際のリスクを軽減するため、契約数量の不足時に市場等から確保する場合、不足分の充当に要する経費の一部が補てんされます。
5 農地・水・環境保全向上対策
◆集落等を単位として、農地・農業用水等や農村環境の保全に取り組む共同活動や、水路・農道等の長寿命化のための取組を支援
農業者だけでなく地域住民など多様な主体が参画して、畦畔の草刈りや農業用水路の清掃・補修等の活動と景観形成などの農村環境の保全向上活動について、地域ぐるみで取り組む場合、一定の額が助成されます。<共同活動支援>
水田:4,400円/10aなど
さらに、農地周りの水路・農道等の長寿命化のための補修・更新等に取り組む集落が追加的に支援されます。<向上活動支援>
水田:4,400円/10aなど
6 中山間地域等直接支払制度
◆中山間地域等における農業生産活動維持のための交付金
平地地域との農業生産条件の格差から生じる不利を補正するため、傾斜地等の一定条件を満たす農用地を耕作する農業者等(集落協定等の締結が必要)に対して交付金が交付されます。
田急傾斜地:21,000円/10a、田緩傾斜地:8,000円/10aなど
□ 規模の拡大
7 農地制度実施円滑化事業費補助金
◆農地の利用調整に関する相談の対応
農地の規模拡大をしたい者等から農地の取得等の申し出があった場合、農業委員会が農地のあっせん等の農地の利用調整活動を行います。
8 戸別所得補償制度の規模拡大加算交付金
◆農地の利用調整に関する相談の対応
1の農業者戸別所得補償制度・規模拡大加算に同じ
9 担い手支援農地保有合理化事業
◆農地保有合理化法人が農地を仲介して農業経営の規模拡大を支援
農地保有合理化法人(県農業振興公社)が、規模縮小農家等から農地を買い入れ(借り入れ)、規模拡大する農家に売り渡す(貸し付ける)ことにより、農業経営の規模拡大が支援されます。また、農地取得と併せて、規模拡大に必要な機械・施設を導入するための資金が借り受けられます。
10 耕作放棄地再生利用緊急対策
◆耕作放棄地の再生・利用のための活動を支援
荒廃した状態の耕作放棄地を貸借等により引き受ける再生利用者が行う再生作業や土づくり、作付・加工・販売の試行、必要な施設の整備等が総合的に支援されます。
□ 新たな分野への進出
11 6次産業総合推進事業
◆6次産業化の推進による加工・販売を支援
農林漁業者等の6次産業化を推進するための計画策定や新商品の開発・販路開拓等の取組が支援されます。
□ 人材の確保
12 農の雇用事業
◆農業法人などによる合同会社説明会を開催
全国及び県に設置する就農相談窓口への求人情報の登録により、就農希望者に求人情報が提供されます。また、従業員を募集している農業者等と就農希望者のマッチングを行うための合同会社説明会が開催されます。
◆新規就農者を雇用する農業者を支援
雇用予定の新規就農者の適性を確認できるよう、雇用前に実施する短期間の就業体験が支援されます。(就業体験の実施に2万円を助成)
また、農業者が就農希望者を雇用した後に、実践的な農業技術や経営ノウハウを習得するための研修を行う場合、研修に要する経費(最大で月9万7千円)が最長12か月間助成されます。
□ 経営継承
13 農の雇用事業
◆後継者がいない農業者が有する経営資産や技術を、就農希望者へ円滑に継承できるよう支援
意欲ある就農希望者に経営を引き継ぐことを希望する場合に、継承を希望する者の紹介、短期間の就業体験、農業経営の引き継ぎに必要な研修の実施について支援されます。
14 就農支援資金
◆就農に必要な資金の無利子融資又は助成
就農研修資金:農家子弟が農業の技術、経営方法を習得するための研修に必要な資金の融資(貸付限度額200万円) 就農施設等資金:農家子弟が独立する時や親の経営を継ぐ時に必要となる機械・施設の購入等に必要な資金の融資(貸付限度額3,700万円) 就農準備資金:農家子弟が独立する際、住居の移転、資格の取得等就農の準備に必要な資金の融資(貸付限度額200万円)
□ 機械等の導入
15 経営体育成支援事業(融資主体型補助事業)
◆融資で農業用機械等を導入する場合、融資残の自己負担部分を助成
主に融資を活用して、農業用機械・施設を導入する場合、融資残の自己負担部分に対し、取得額の3/10までを上限として助成されます。
16 経営体育成支援事業(集落営農補助事業)
◆集落営農の組織化・法人化に必要な農業用機械の導入費の一部助成
集落営農の組織化・法人化に際して必要となる農業用機械の導入に係る経費の1/2以内が助成されます。
17 経営体育成支援事業(条件不利地域型)
◆条件不利地域における共同利用機械等の導入費の一部を助成
経営規模の零細な地域等において、共同利用機械・施設を導入する場合、事業費の1/2(機械1/3)以内が助成されます。
□ 基盤整備
18 戸別所得補償実施円滑化基盤整備事業等
◆基盤整備に係る事業費の一部を補助
県、市町、土地改良区等が実施主体となって基盤整備を行う場合、事業費の1/2について補助されます。
19 農家負担金軽減支援対策事業等
◆基盤整備に伴う農家負担金を軽減
認定農業者などの担い手の経営面積の集積増加率等が一定以上になることが見込まれる場合、土地改良事業等の農家負担金について、5/6を限度に無利子融資または当該年度の年償還金の利子相当額が助成されます。
20 経営体育成基盤整備事業等
◆基盤整備を契機に、認定農業者などに農地を集積する場合に支援
区画整理、農業用用排水施設等の生産基盤の整備を支援します。また、認定農業者等に農地を集約するための土地利用調整に関する話し合いの経費や、基盤整備に係る農家負担金に充当するなど、様々な活動が支援されます。
21 果樹経営支援対策事業
◆果樹産地構造改革計画を策定している産地の担い手が、優良品目・品種への転換、小規模な園地整備などを行う場合に支援
果樹産地構造改革計画に基づき、担い手が優良品目・品種への転換、小規模園地整備(園内道の整備、傾斜の緩和、土壌土層改良)、かん水施設設置等を行う場合に、事業費の1/2(一部定額)の範囲内で助成されます。
22 果樹・茶支援対策事業
◆ 果樹経営支援対策事業により、優良品目・品種への改植を実施した場合に発生する未収益期間に対して支援されます。
補助率:定額50,000円/10a×支援年数(改植の翌年から4年分)を初年度に一括交付
□ 環境保全への取組
23 環境保全型農業直接支援対策
◆環境保全型農業直接支払交付金
化学肥料・化学合成農薬を原則5割以上低減する取組とセットで地球温暖化防止や生物多様性保全に効果の高い営農活動に取り組む場合、取組面積に応じて支援されます。(国の支援単価は4,000円/10a)
□ 資金の確保
24 スーパーL資金、農業近代化資金
◆貸付当初5年間実質無利子で融資
平成23年度に認定農業者が借り入れるスーパーL資金及び農業近代化資金の金利を、貸付当初5年間最大2%引き下げられます。
◆少額の資金であれば、融資の可否の判断を迅速に行う
スーパーL資金、農業近代化資金について、500万円までの資金であれば、無担保・無保証人での融資の可否が最速1週間で判断されます。
□ 資金の確保
25 経営体育成強化資金、農業近代化資金
◆農業機械や施設等の取得に必要な資金の低利融資
集落営農組織の経営改善に必要な施設資金や長期運転資金を長期かつ低利で融資が受けられます。
26 農業改良資金
◆チャレンジ性のある取組に対して無利子で融資
創意と自主性を生かし新たにチャレンジする取組に対して、個人の場合は5,000万円まで無利子で融資されます。
27 スーパーL資金(円滑化融資制度)
◆経営状況等を評価した上で、一定額まで無担保・無保証で融通
スーパーL資金について、認定農業者の経営能力や経営状況等を積極的に評価して、個人の場合は2,000万円まで無担保・無保証人で融通されます。
28 農業経営基盤強化準備金制度
◆農業者戸別所得補償制度の交付金等を活用して、計画的に規模の拡大
農業経営改善計画等に従って、対象の交付金等を農業経営基盤強化準備金として積み立て、それを活用して農地等を取得した場合等には、税制上の特例措置が受けられます。(この特例を利用して準備金(内部留保)や農業用固定資産の取得等に充てると課税が繰り延べられます。)
□ 老後の備え
29 農業者年金事業
◆農業者年金について、特例保険料を適用して保険料を助成
青色申告を行う認定農業者等には通常保険料の下限額(月額2万円)を下回る特例保険料を適用し、下限額との差額(1万円~4千円)が助成されます。
※注意
各種支援策(補助事業)については、事業対象者、要件、申請時期等がありますので、詳しくは栃木県担い手育成総合支援協議会又は市町担い手育成総合支援協議会、市町、JA等へ、また、農業者戸別所得補償制度については市町農業再生協議会へお問い合わせください。
